GMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室 所属の宗形(@S_muna112)です。
Web UIから写真やビデオ(mp4)をアップロードし、ワンクリックで「画像分解・分析」「トレーニング」「.ply形式でのエクスポート」までを完結させる――。
今回は、次世代開発環境(IDE)であるAntigravity(モデル:opus4.5)を活用し、この一連の3DGS(3D Gaussian Splatting)ワークフローを構築する「バイブコーディング」の実践レポートをお届けします。
開発の経緯:手作業から「AI主導」への転換
当初は Gemini 3 に実装方法を相談しながら、チャットベースで手動構築を進めていました。しかし、開始から1時間ほどで大きな壁にぶつかります。
- CUDAやPyTorchのバージョン不整合
- Visual Studio Build Toolsの環境構築エラー
環境構築の複雑さに時間を溶かすよりも、「やりたいことだけを伝えて、あとは全てAIに任せる」方が効率的だと判断し、方向を転換。AIエージェントが主体となってコーディング、テスト、デプロイを自動で行うAntigravityへ移行しました。
主要AIサービスとのアプローチの違い
開発を通じて感じた、既存ツールとの明確な差は以下の通りです。
| サービス名 | 開発スタイル |
| Cursor / Copilot | 「メンバー + AIの補助」:メンバーがコードを書き、AIが補完する |
| Antigravity | 「AIエージェント + メンバーの監視」:AIが主導し、メンバーは承認する |
開発ログ:わずか9時間でプロトタイプが完成
全行程、約9時間で実用的なツールが完成しました。そのステップを振り返ります。
1. 要件定義と準備(約30分)
まず Gemini 3 Pro の「Deep Research」機能を使用し、3DGSをローカル環境で構築するための工程を調査・レポート化しました。この内容をスプレッドシートに保存し、プロジェクト用の新規フォルダに格納します。
2. Antigravityの起動と初期指示
Antigravityで当該フォルダを開き、最初のプロンプトを入力します。
プロンプト: 「スプレッドシートの内容を精査し、作成を開始してください。」
これだけの指示で、AI(opus4.5)がCドライブ上に仮想環境を構築。必要なドライバ、COLMAP、nerfstudio のインストールを自律的に進め、最終的に USER_MANUAL.md を作成して初期構築が完了しました(所要:約3時間)。
3. Docker & GitHubへの移行(約1時間)
ローカル環境での動作確認後、管理体制を強化するために以下の指示を出しました。
プロンプト: 「現在のプロジェクトをDockerとGitHubで管理する体制へ移行してください。」
フォルダ階層の改修、ソースのダウンロード、接続テストが自動で実行され、GitHub上にリポジトリ(nerfstudio_projects)が自動生成されました。
4. Web UIの実装(約3時間)
利便性を高めるため、コマンド操作を排除したWeb UIを構築しました。
プロンプト: 「Web UIを作成し、写真や動画をアップロードしたらワンクリックで変換処理、トレーニング、.plyエクスポートができるようにしてください。」
UI/UXの細かな指定はしませんでしたが、デフォルトで十分に直感的なデザインが生成されました。動作確認中に発生したエラーも、エラーログをAntigravityに貼り付けるだけで、検証から修正案の提示までを完結。私は提示された内容を確認し、「実行」をクリックするだけでした。
Antigravityの真骨頂:エラーの自己修復プロセス
開発中、最も驚かされたのは「メンバーがコードを一行も書かずにエラーを解決した」瞬間です。
動作確認中に、nerfstudio のトレーニング開始時に CUDAライブラリのミスマッチ による致命的なエラーが発生しました。本来ならここから数時間、Stack Overflowを彷徨うフェーズですが、今回は以下のステップで解決しました。
エラー発生時の流れ:
- コマンドプロンプトに表示された真っ赤なエラーログをコピー。
- Antigravityのチャット欄に「このエラーが出て動かないので直して」とペースト。
- AIの挙動: 「CUDA 12.x環境に対して、PyTorchのバージョンが古いことが原因です。仮想環境内のライブラリを再構成し、パスを再通しします」と即答。
- 手動作業: 提示された修正プランに対し、「実行」ボタンを一回クリック。
- 結果: わずか3分で環境がクリーンアップされ、正常にトレーニングが開始。
「エラーを読み解く苦労」から解放され、純粋に「何を作るか」というクリエイティブな判断に集中できる。これが2026年の開発体験なのだと実感しました。
完成した3DGSコンテンツの紹介
構築したツールを用いて生成したプロトタイプの様子です。

左側のアップロードエリアにmp4をドロップするだけで、バックグラウンドでCOLMAP処理が走り出す設計です。

トレーニングが完了すると.PLYデータをダウンロードできるようになります。
SuperSplat Editorにダウンロードした.PLYデータをインポート。データの破損などは無く、3D化出来ていることが確認できます。
まとめ:2026年の開発スタンダード
最終的に、構築工程の策定からWeb UIの動作確認完了まで、わずか9時間でサービスが完成しました。
2025年までは、開発職以外の仲間が一人でゼロから構築するのは極めて困難だったものが、2026年現在では「調査・レポート化」して「Antigravityへ投げる」だけで、モックアップレベルなら即座に形にできる時代になりました。
「環境構築で躓く」という開発初期の最大の障壁が、AIエージェントによって過去のものになろうとしています。皆さんもぜひ、この新しい開発体験を取り入れてみてください